日本の家庭には殆ど普及していないが、現在、上海の多くの家庭にはVCD(ビデオ・コンパクト・ディスク)プレーヤーが鎮座している。反面、日本の殆どの家庭に普及しているビデオデッキを上海の家庭で発見するのは至難の技である。実際に電器屋に行っても録画用のビデオテープなど見つからない。
殆どが国産であるデッキの価格は日本円で1万円程度。最新の洋画も含むソフトは150円くらいで売られているので、映画館に行くよりリーズナブルに楽しめることができる。
なおかつ、住宅難の上海ではビデオテープを保管しておくスペースを確保する必要が無く、耐久性も高いので、なるほど普及したのも納得である。
さて、VCDの画質だがホームドラマを3倍速で撮った程度であろうか。画質が特別良質なわけではないが、それでも今や雑誌の付録やパソコンショップのレジ脇に無料で配布される薄っぺらのCD一枚で手軽にステレオ音声付の映像が楽しめる。
。一つ欠点をあげるとすると、ビデオと違って録画が出来ないことか。しかし日本のドラマ(吹き替え)も含めて見たいものはだいたい売っている。売っていないのは新婚旅行の風景と子供の運動会の映像くらいであり、これは8mmだから据え置き型のビデオデッキとは関係ない世界である。
さて上海人だっていつまでもVCDの画質に満足しているわけではない。 DVDが発売され、最近では2万円くらいで手に入るようになった。ディスクは200円以上するので少し高いが、それでも目から鱗が落ちるような鮮明画像を体験すると2度とVCDには戻れない。上海では2万円のDVDに5万円の29インチ平面テレビ、そして3万円のサラウンドシステムの計10万円で立派なホームシアターが出来上がる。ただどうしようもないのが狭い住宅事情なのだが。
(立正大学大学院 経済学専攻 兪揚)