米ドル建てで取引される上海B株指数が70の大台を突破し現在も高値を更新している。10年以上も長期低迷を続ける日本株から比べれば全く羨ましい限りだが傍目に観ると、ちょっと常軌を逸した彼らの株式への入れ込みようが感じ取れる。
まず今回の上昇理由だがもちろん10%を超える経済成長を10年も続けている上海の好景気と人民元預金が未曾有の低金利に置かれているなど通常考えられる要素もある。ところが人民元建てのA株市場はそれほど芳しくないのだ。
以前ご紹介したが中国の株式市場は現在、上海と深センの2箇所にそれぞれ人民元建てのA株市場とドル建てのB株市場(深センは香港ドル建て)が併設されている。奇妙なのはAB両方に上場している銘柄があり、しかも1株の価値は両方とも同じであるにも関わらず為替換算するとB株市場の方が安く取引されている。
その差が2倍を超えるとなると一体何を基準に株価を判断すれば良いのか分からない。この差は本来外国人投資家向けのB株は一般の中国人が参入し難く、単に需給の関係でA株のみ跳ね上がってしまったという説が有力である。
そしてつい最近、このAB両市場に合併の噂が広がり安く放置されていたB株が急騰した。街を歩くと申銀万国や東方といった大手に混じって聞きなれない証券会社が激増している。しかも中は立ち見状態で門の外まで人が溢れている。更にそうした平日の昼間から株価ボードを眺めているお客の多くが若い男性なのに驚く。
多くは失業中であろうか?海外の親戚から預かった1万ドルが数ヶ月で2倍になった類の話が絶えない。そうなると月1,500元の会社勤めなど馬鹿馬鹿しくてやってられないだろう。中にはプロの相場師も居ると聞くが上海の株式市場など所詮10年の歴史だ。「買うから上がる、上がるから買う」はいつもの事だが何時逆に廻り出してもおかしくない。せいぜい社会不安にならない程度にやって頂きたいものである。
(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)