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上海便り
2000.5.26 第百十四便、ブランド崩壊の街
上海に来てちょっと驚くことがある。GDPが年間3,000ドルを越えたばかりのこの街、何と大学生からオバさんまで着ている物からカバンまで著名なブランドのオンパレードなのです。本当にサングラスからジーンズに至るまでそれは徹底している。実はその殆どがいわゆるコピー商品であるが、日本と異なるのは年に数度東南アジアへ観光に出掛け、マンションを2つ持っているような60代の典型的な富裕層ですら麻雀の席で自分が如何に質の良いコピーを安く買ったか自慢し合うのがおもしろい。

更に観察すると(ブランドの)ナイロンやビニールのカバンやパンプスはコピーでもダイヤとか貴金属は年相応の凄い物を持っている。或いは実は本物なのにこんなナイロンバッグに千ドル出したと言うと経済観念が疑われアホ呼ばわりされかねない境地なのかもしれない。マンションや株式投資の話には全く躊躇がないのだから。

ここに日本で大成功をおさめた欧米ブランド商法の「負け」を見た感じがした。少なくとも第一ラウンドでは負けである。ブランド価値とは消費者が払っても良いと考える製造流通原価にオンする付加価値であるが、上海人には「こんな物に騙されてたまるか」といった気合いすら感じる。

これら企業が上海でブランド・エクイティを確立するには今後イメージ広告などで地道な布教努力を続けなければならないであろう。もっとも当の企業からすれば「まだ上海なんかで売る気はないよ」との声も聞こえてきそうであるが。

(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)
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