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上海便り
1999.12.9 第壱百便、アジア3都物語
お蔭様で上海便りも100回目を迎えることが出来ました。今回は東京そして12年ぶりに訪れた韓国・ソウルの2つの人口1千万都市の現状を絡めて上海の展望を描写してみます。

まず3つのメトロポリスを独断でコメントしてみます。

東 京: 便利で予測通りに事が運び余計な心配が要らないが全てにおいて高コスト体質。自由経済の原点に立ち返り規制撤廃とボーダーレスな競争による再活性化が必要。首都機能移転はエネルギーや環境問題からもナンセンスではないか。それより電子政府化を急ぎ人の移動を要しない行政サービスを標榜すべきである。
ソウル: 前回訪れたのはオリンピック前夜の87年。今回は頭上から全てのクレーンが消え、コンパクトで落ち着いた街に変貌していた。超高層ビルの大財閥と劣悪環境の零細町工場の二重構造未だ埋まらず。日本語表記が増え明洞に日本語のノレバン(カラオケボックス)が有ったのは驚いた。
インフラの整ったOECD加盟国の首都にしてこの物価安は正に”今が買い”か?但し僅か60キロ先にあるDMZの向こう側の動向も決して忘れてはならない。
上 海: 24時間変化を続ける空前絶後のダイナミックな不夜城。地理的に中国沿岸部の中心に位置し、同時に日米韓の経済パワーの重要性を考えればアジアの中心と言っても良い。21世紀初頭に掛け世界で最も注目されている都市の1つである事は確実。

東京とソウルは戦後の荒廃からの再建、上海は文革混乱期から市場経済へのパラダイム・シフトで急速に発展し、また3都市とも巨大な密集都市であり域内市場が更に発展を加速した点で共通している。

居住環境については例えば中流層の住宅はソウルが他の2都市をリードしており、外観に奇抜さはないが十分な広さを持つ高層アパートが現在、上海とほぼ同じ価格で購入できる。中心部の交通アクセスは東京と8路線の地下鉄を持つソウルが上海を十年単位で突き放しているが、次世代通信インフラはケーブルテレビがほぼ100%普及している上海に将来性含みで軍配が上がる。

大気や川の水質など都市環境は現状では上海は東京、ソウルに遠く及ばないが昔の長屋を取り壊し跡地を公園にするなど緑化促進で上海もかなり努力している。

よく上海は東京で例えると昭和何年頃か?という質問をされるが答えに困ってしまう。何故なら地下鉄は昭和初期でも地上の建造物や通信では殆ど差がなくなってきている。また世界中から企業が集まり日々ビジネスが行われている点でも今の東京と何ら変わらない。外国車を事実上締め出し、多国籍企業の広告が非常に少ないソウルより国際都市である気もする。

しかし空港で入国審査官の座る位置がなぜあれ程高いのか?ソウルでは立っている旅行者の目の位置より低く、しかもガラス張りで中で何をやっているかパソコンのモニター以外は全てオープンである。

やはり上海は上海なのである。

(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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