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上海便り
1999.11.5 第九十五便、ディズニーを香港に盗られた上海
「3つ目のディズニーが中国にできるんだから良いじゃない」これが大方の声のようです。正確にはディズニーワールドやパリ郊外のを入れると5つ目なのですが、今の上海人が日本に来て必ず行く場所が舞浜なのです。副市長が訪米までして誘致合戦を繰り広げた上海ですが、香港決定のニュースには意外に醒めていました。

今の上海の凄まじい発展を目の当たりにすると、完成する2005年には上海―香港間など今の東京―大阪と同じ感覚で移動ができると思えてしまいます。香港観光の楽しみが増えるくらいに思っているのでしょう。これが7、8年前なら香港など夢の別世界で、当時の流行歌にも"香港のヤオハンってどんなところ?行ってみたい"なんて歌詞があり、正に日本人にとっての "憧れのハワイ航路"なのでした。

冷静に世界地図を広げれば上海は既にディズニーのある東京にも近過ぎます。東南アジアや世界で2番目に人口の多いインドなど、南アジア諸国からのアクセスを考えればやはり香港なのでしょう。ただ日本の新聞で書かれていた「契約を重んじる香港のビジネス風土が決定に影響を与えた」というコメントは具体的に何を指しているのかかなり疑問が残ります。

何れにせよ当面の利益を当てこんだ建設業者は別として、一般の上海人にとって5年後とは遥か遠く予測のつかない先のことなのでしょう。例えば先日から電化すらされていない上海―杭州と上海―南京間に最高時速180キロのディーゼル超特急が走り始めました。私が思うにここ暫く10年くらいはこの改良型で北京まで繋いでおき、その間に平行して磁気浮上鉄道を敷設するのではないでしょうか。

日本やフランスに出掛けては新幹線計画への協力云々ちらつかせていますが、クロスバー交換機から携帯電話、14インチ白黒から平面大画面、テープレコーダーからDVDへと瞬時にジャンプした上海ですから35年前に完成した技術を今更本気で欲しがっているのか甚だ疑問です。そう思わせる現在の上海ではディズニーなど西洋からやってきた1テーマパークに過ぎず、もっと凄い、しかも中国人が設計するオリエンタルな風情で、欧米から観光客を集める、次世代の世界的なアトラクションが出現しても何ら不思議ではありません。

(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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