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上海便り
1999.7.30 第八十二便、マスコミ報道に見る現代中国
政府による気功集団"法輪功"の取り締まり発令以降、中国のテレビ、新聞では連日凄まじい科学技術賛美を繰り返している。ここ数日のニュース番組の3分の2はこの話題で、全国のさまざまな階層の人たちの発言を取り上げ"迷信"に惑わされるなとのコメントを繰り返している。

例えばリポーターが三峡ダムの工事現場を訪れ、マイクを向けられた作業員が「この世界最大のダムは祖国の科学技術発展の成果である。"法輪功" ではダムは100年経っても完成しない」と発言、続いて画面は広州の地下鉄に変わり、整備員がこの最新鋭の車両は.......と同じようなコメントを放つ。

同様に大学教授、医師、企業幹部、大学生などが「科学技術こそが発展の源泉である」といった内容の発言を繰り返した後、ニュース・キャスターがマルクスの唯物論を持ち出し応援する。久しぶりに見た中国らしいマスコミ報道である。私は上海で1日に30分もテレビを見ないが、「そういえば昔、アメリカのパソコン関連出版社ジフ・デービスも「テクノロジーこそが未来を叶える」なんて格好良い宣伝をしていたな、と妙に納得してしまう。至極当たり前のコメントを何時間も繰り返し、反論の余地が全く無い。「気功で飛行機は飛ばないし、超高層ビルも建たない」と議論にもならない例を止め処なく流しているのです。

そういえばユーゴの大使館誤爆事件でも、最初のうちは強烈な米国批判を繰り返し抗議デモの様子を流していた。ところがこのままでは暴徒化するのではないかとの懸念が出てくると「工場の労働者や学生は生産活動や学習に励み経済を発展させ強大な祖国をつくろう」といった方向に切り替わった。何れにせよ世界最大の発展途上国である中国の最大多数の生活向上には、社会の平穏と科学技術の振興が大変重要なことだけは異論がないのだが。

(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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