先週、携帯電話の規格について触れましたが、週末のITU会合で2001年を目処に国際的に統一されると大きく報じられていました。また先日、東京から広島まで朝一番の飛行機の片道料金は1万1千円でした。以前使用した上海ー青島間の距離がほぼ同じぐらいで700元でした。日本の航空運賃も中国と殆ど変わらないまでになったのです。更に国際航空券に至っては、今や日本は世界一安く買うことが出来ます。これらは規格も価格も世界標準でないと通用しなくなる来世紀のプロローグと言えば少し大袈裟でしょうか。
ところで中国を少々近寄り難いと感じる方も最近の大胆な中国の官僚機構改革、金融再編で、殆ど同様の問題を抱える日本人からすると一気に親近感を覚えるかもしれません。しかも解決方法は日本よりドラスティックな一面も有ります。例えば国営商業銀行の不良債権はアメリカと日本方式を同時に取り混ぜ形だけは一気に処理しました。よく中国をセイフティーネットが未整備なまま経済成長を急ぐ点でワイルド・キャピタリズムだと言いますが、同時に冒険的と言う意味でベンチャー・キャピタリズムと言った方が適当ではないかと思うくらいです。
改革開放や南巡講話以前に共産主義を試した時点から国全体が実験、冒険とも言えます。諸外国の仕組みを自国の実状に合わせ形を変えて取り入れいろいろ試してみる。国全体に導入するにはリスクが大きいと判断すると経済特区等設置し地域限定、期間限定で試してみる。例えば市場経済の権化とも言える証券取引所は首都北京には置きません。試して駄目なら直ぐに手直し、更に良いシステムに作り替えるのです。
同時にITIC(国際信託投資公司)をあちこちに作り、潜在的成長性を世界にアピールして資金調達する。また一方で「中小企業局」を新設し「信用保証中心」を発足。中小企業の成長を資金と経営指導でバックアップするとの事である。それだけではなく「創業服務中心」というハイテク起業家向けインキュベーターを全国の国家級開発区に創設するというのです。高度成長期に日本株式会社と揶揄されましたがその上を行くスケールです。
中小企業育成は深刻な失業対策の一環であるが、恐らく米国のハイテクベンチャーの発展を目の当りにし、産業の高度化を通じて国力増強を目指す国としての意志表示でもあると思う。現時点では日本の後追いに過ぎないがいずれにせよ日本もウカウカしていられません。
(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)