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上海便り
1999.3.12 第六十二便、若者気質に観る日本と上海
中国人との付き合い方の難しさを解く書籍は昔から多くあるが、大体共通しているのは仕事上の付き合い等で知り合いにはなれても朋友となるのは難しく、更に好朋友、老朋友となるのは至難の技であること。また彼らが建前と本音を上手に使い分ける点などであろう。一方で欧米気質だと言われながらも、このあたりは旧来の日本人と極めて似ていると言えよう。

つまり親族や親の代からの友人には絶対の信頼を置くが、出身地の異なる新参者が解け込んで行くにはかなりのエネルギーが必要であり、そうした状況下でトラブル回避の為、建前と本音を上手く使い分けるのである。

ところが日本に帰ってきて観察してみると、大学生や20代前半の若者についてだけ言えば、両者は随分変わってきている様に感じる。端的に申し上げれば上海は男女ともにパワフルで、積極的で、物怖じせず本音でぶつかり合う事を厭わないのに対して、日本は元気が無く、全て逃げ腰に感じてしまう。もっとも上海の大学に世界中から集まった学生が生活する留学生寮を仕切っている自費留学の日本人が居るが、絶対数では極めてレアな日本人と言えよう。

これとは別に、東京に留学している上海人留学生の談であるが「日本人学生は友人としても、恋愛の対象としても、直ぐに煮詰まってしまいつまらない」と今は韓国人の女性と熱愛中。もちろん互いの共通語は日本語である。よく中国都市部の子供は一人っ子でスポイルされ小皇帝などと言われているが、それでも日本の平均的な同世代より余程積極的な青春を送っている様に思えてならない。もう一歩洞察してみると、その積極性の源泉は外国から洪水のように押し寄せる刺激による部分が大きい。現在の上海は平均的な若者にとって好奇心に満たされている訳である。つまり産業だけでなく、若者文化においてもキャッチアップ型なのだが、しかし日本に追いかける対象が無くなったから、諦めムードが蔓延しているとするともったいない。何故なら現在の日本はあらゆる場所で「仕切りなおし」が必要であり、こんな時期は何のしがらみも無い若者が一番強いはずであるのだから。

(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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