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上海便り
1998.11.20 第四十七便、中国の銀行事情
上海の銀行窓口で最近目立つ商品ポスターが2つある。クレジット・カードと住宅ローンである。「中国も此処まで来たか」と10年の変わり様に目を見張るばかりであるが実際、経済改革の最大の障害となっているのは政府の指示で国営企業に殆ど無審査で貸し付けた不良債権の山であり、日系ノンバンクが上海で始めた個人向け割賦販売などは立派に収益を上げているとのことである。

国営企業がダメだからと言って新興民間企業の経営リスク判断も一朝一夕で出来るのもではない。そこで銀行も有望な収益元として個人富裕層に目を付けた訳である。

今年、政府は総額4兆円を大手銀行に資本注入し自己資本比率8%以上に改善した。更に不良債権を政府が20−30年償還の長期国債と交換に買い上げ、新設するホスピタルバンク(仮称)に集中化し一気に処理することも決めた。政府とは勿論日本ではなく中国。日本ではバブル期に政府が銀行に不動産融資の指示をしていないこと以外では両国の金融事情は大差なしと言えよう。

豆知識:
中央銀行=中国人民銀行。以前は何処の田舎でもあったが最近支店が姿を消した。日銀に相当する「銀行の銀行」としての機能に集中。

4大銀行=中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国銀行。日本の都銀に相当。政府系企業との取引が中心であるが建設銀行は個人の住宅ローンに積極的。中国銀行(Bank of China)は90年初頭まで外為を独占していたが現在は殆どの銀行で外貨取引が出来る。上海では工商と建設の支店が目立つ。

その他=上海で支店数が多いのは上海銀行(Bank of Shanghai)。数ヶ月前までの上海城市合作銀行という名称を改称。取引先は中小企業が多い。融資業務も比較的積極姿勢で地銀か信用金庫の役割か。

コラム:
昼刊登場の上海新聞事情

上海の有力経済朝刊紙「新聞報」は16日、来年元日から朝刊、昼刊、夕刊の1日3刊発行制にすることを明らかにした。休刊日はなく日曜日も3刊を発行する。改革・開放の先進地上海では新聞の販売競争が激化しており、同紙は他紙に先駆けて読者の要求にこたえる策だとしている。

上海では、新聞は「職場で買う」から、「読みたいから自分で買う」ものの時代になったといわれる。夕刊紙「新民晩報」と朝刊紙「文匯報」が今年7月に合併するなど、競争激化で業界再編も進む。 しかし、世界でも珍しい1日3刊制が本当に読者の要求なのか、記者や製作スタッフの労働条件は過重にならないかといった疑問はあるようで、同紙では今月19日、26日に試験発行してみて、反応を調べるという。

(丸加物産株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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