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日中逆転
2002.4.16 第三十八話「こだわりの無くなった日本製品の未来」

実家の押し入れから70年代のソニー製ラジカセを発見、なんと小学生の頃エアチェックしたカセットテープが中に入ったままだった。電源コードを挿し再生ボタンを押してみた。懐かしい曲もさることながら20数年前と全く替わらない重厚なタッチ感、 ピタリとチューニングできるAMラジオのダイアル。。。ボリューム調整とテープ/ラジオの切り替え時にガリガリと雑音が出ること、アンテナが根元から折れいることを除けば全く機能に問題なし。

雑誌でハンバーガーチェーンの社長が「日本のモノ作りは復活しない、サービス業で生きていくしかない」みたいなことを書いていたが全く同意できない。何故ならソニーが20数年前に作ったこのラジカセと同じモノを2002年の中国では作れない。カセットのメカニカルな部分が既に不可能だ。そんなことより深刻なのは今店頭に並んでいるCDラジカセを触ってもプラスチックのオモチャみたいで全く買う気が起こらない。どのメーカーも全て同じに見え残念ながらソニーも例外ではない。

もうひとつ、以前使っていたノートパソコンはIBMのThinkPad(日本製)だった。キーボードや各スイッチのタッチが昔のソニー製ラジオを弄っているのと良く似ていた。残念ながら現在日本で売られているThinkPadにこのタッチ感は無く外枠素材も何気にチープになり当時の拘りはどこかへ行ってしまった。今は他社製品を使っているが97年頃のThinkPadが現在のスペックで復活すれば多分また買うと思う。

どちらも1ユーザーの愚痴でしかないが中国製品が性能面で追い上げる一方で日本ブランドが安っぽくなり(実際安いのだが)結局両者が収斂してきたのではと考えてしまう。その昔、友達の家に遊びに行くとこの家は日立、あの家は東芝と家電製品を一つのメーカーで買い揃えている家庭が実に多かった。父親の勤め先など系列文化もあるだろうが特定メーカーのファンといえる家庭があった。それが今ではかなり希薄になってしまったと思えてならない。

家電各社は当然どこもハイテクを標榜しているが「昔の製品は良かった」と感じているのは自分だけではないと思う。ビデオカメラの棲み分け論(20万の家電は中国、 2000万の軍事用は米国、日本は200万のテレビ局用を作っていれば良い)などと諦める前に往年のファンやマニアなユーザーが離れていることに気付いて欲しい。

パシフィック・ブレイン株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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