私事だが大学生の頃、88年から91年にかけ都内の日本語学校で講師をしていた。学生の殆どが日夜3Kのバイトをしながら通う上海人だったが、空前絶後のバブル景気に浮かれた日本の学生との考え方の違いを痛烈に感じた。ところで今の大学生に「拘束旅行」という言葉はどの程度通じるのだろうか、単位不足でとても卒業出来そうに無い学生まで東へ西へ連日拘束されていたものだが。
ところで中国を留学先に選ぶ日本人学生が急増している。数が増えればいろいろと雑音も聞こえて来る。なかには「北京は真面目だけど上海の学生は・・・」との意見もあるが新聞を見て頂きたい。出てくる蘇州や無錫という地名も地図で確認し、世界中のビッグビジネスが虎視眈々と狙っている上海に身を置ける事がどれほど有意義であるか考えて頂きたい。そして上海に着いたなら他国の留学生とも積極的に交わることを勧める。大学では中国人学生も殆どが学生寮で共同生活をしている。地元出身者も平日は寮で寝起きし週末実家に帰るのが一般的である。但しある意味でお客さんの外国人留学生と中国人学生の寮は分かれており、ここで日本人同士で群れてしまっては本末転倒である。
外国人と中国語で異文化コミュニケーションするのである。漢字文化の日本人が自惚れてはいけないがはじめのうちは中国語力の自信に繋がったりする。でも暫くすると発音ではアフリカとかフランス語圏の学生には絶対かなわなくなるから初期勝負である。こうして精神的に一歩リードしている間に中国事情を吸収し興味ある分野で鍛えれば良い。アナウンサー学校ではない、重要なのは発音ではなく話の中身である。でも私ごときが心配しなくても上海には自信に満ち溢れた日本人学生がたくさんいる。自意識過剰気味の学生も中国はそんなに甘くないから放っておけば良い。ただアグレッシブな若者からも見放された日本が更に空洞化してしまうのではないか心配ではある。