無錫へ日帰り出張した、行きは高速バスだったが帰りは何となく鉄道に乗りたくなった。上海までの距離は約150キロ、約2時間の「世界の車窓から」を堪能した。無錫駅で時刻表を見ると3時間後まで売り切れ、日本なら東海道に相当する幹線なのに夕方になっても1時間に2本程度、仕方なく駅前をふらつくとダフ屋が上海行きの切符を売っている。気にはなったがもう少し歩くとタタミ1畳ほどで電気も来てないような旅行会社が軒を並べ、なんとその薄暗い屋台で売り切れたはずの20分後の上海行き切符を売っていたのだ。しかも立席ではなくキチンと車両と席番号がプリントされて出てきた。目の前でMrマリックの超魔術(遠隔透視)を見てしまった。どうも中国でデータベースとかオンラインシステムを売り込むのは無駄足のようだ。
上海までの切符の値段は10元(約160円)硬席普快、要するに一番安い部類の切符らしい。ふと千葉の実家で北総開発鉄道という電車に乗れば隣駅まで300円するのを思い出し、改めて日本と中国の価格差を感じた。先週の話と全く矛盾するがこの現実を前にすると日本のデフレも価格破壊も全く説得力を失う。急いで駅に戻り二重の改札を通過しホームに降り立つと重たそうなディーゼル機関車が深緑の客車を引いて来た。89年にウルムチへ行った時と全く変わらない。
車中では3元でお茶を頼むと車掌が頻繁にお湯の継ぎ足しサービスをしてくれ「世界の車窓から」も十分堪能、これでお茶代込み200円は納得だ。さて蘇州の次の駅に停車中、蒸気機関車が貨物を曳いて来たので思わず線路に降りた。もちろん観光用ではなく何十両もの貨物車両を引っ張り現役バリバリだ、ふと足元に目を遣ると「光纜」 が埋まっているとの標識。光ファイバーとSLが共存する中国、しかし先の超魔術の謎は解けない。