先日、上海駅前を通った際に大きな荷物を抱えながらも整然と駅を出入りする乗客を見て、ふと10年前「盲流」と呼ばれ仕事を求め、あても無く次々に地方から押し寄せる出稼ぎ労働者を思い出した。それが今では身なりも良くなり、目的も無く戯れているような人達は姿を消した。
さて、上海周辺には人口数百万の昆山、蘇州、無錫といった大都市が幾つもある。距離的には東京からだとそれぞれ横浜、山梨、静岡くらいに位置する。近年列車も高速化し蘇州へは1時間ちょっとで行けるようになった。中国の鉄道は通勤用ではなく今だ日本だと空港を使うような感覚で使いづらく難点はあるが、高速道路も完備され移動の不便さは随分解消された。今後も巨大消費地を背景に、特に製造業を中心に上海を取り囲むこれらグレーター上海を目指す勢いは更に加速すると言われている。
問題点を挙げるとすると、やはり上海と比べ見劣りする人材不足だと思う。特に管理職や技術者の不足はかなり以前から指摘されており(農村に突如として世界的ハイテク企業が押し寄せたのだから当然の結果とは思うが)人材育成が急務だと言われ続けている。但しこれも杭州、南京、そして少し離れるが安徽省の合肥まで行くと国家級の重点大学が数多くありハイレベルの人材を輩出している。従って必要なのはこれら地域と上海を含めた人材の流動化ではないだろうか。賃金格差や戸籍の取り扱いなど難しい面もあるだろうが国、省、そして企業の垣根を越えた調整をもってすれば必ず解消できると考えている。