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日中逆転
2001.11.09 第十五話「ミニ世界」

日本の携帯電話の例をみるまでもなく新技術が急速に普及し発展する重要な要素に「自由な競争による価格低下」が挙げられる。郵政の規制緩和があと5年早ければ世界の半導体技術はもっと進化していたのではなかろうか。それにしても80年代の規制で日本市場を諦めたモトローラやノキアが当時絶望的な状況だった隣の中国市場で大成功しているのはなんとも皮肉である。

ところで2年前韓国に行って驚いたのはOECD加盟の先進国であるはずの首都を走っている車の殆ど全てが国産車で外国企業の看板が非常に少なかったことである。日本でも外資企業が増えているとはいえ地元の工業団地に外資企業の工場はあるだろうか、世界第2位のマーケットでありながら多くの日本人は世界最大の化学や製薬会社の名を答えられない。中国では国内産業育成を外資に委ねている。上海周辺の工業団地を訪れると国旗である五星紅旗を中心に出資国の国旗と社旗が靡き、まるで万国博覧会の様相、全くの地元企業を探すのに苦労する。見渡すと車も家電もビールもみな外国ブランド、但し全て中国人が国内で製造し出荷した製品である。

製造業だけではない、大方の日本人は最近幕張に出店したカルフールを知っていてもドイツ資本のメトロは知らない。同様に伊勢丹やローソンを知っているヨーロッパ人は少ないが、上海にはどちらも揃っている。あらゆる分野で世界中から最も進んだ技術やマネジメントがメルティング・ポットのように融合する上海、競争のなかで更に磨かれ結果として一番優れたものがここに残るのではないだろうか。純血日本のままでは到底敵わない。

パシフィック・ブレイン株式会社 代表取締役 藤川 洋)

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