上海の新聞には毎日多くの立派な新築マンション広告が踊っている。国営企業の社宅が減る一方で住宅ローンも拡充され、実際に多くの上海人がこれら新築マンションに引っ越している訳だが、同時に伝統的な昔ながらの長屋生活を懐しんでいる人々もいます。
これらは一般に3階建て程度の長屋で内階段になっており、水回りは共同です。殆どが解放前の建築なのでどれも60〜70年は経っており、古くて使用に耐えらず再開発で壊される一方で、フランスやイギリスの旧租界地などには質が高く施設の整っている住宅も残っています。更に風格を感じさせるのは建物だけでなく、住居を構えていた中国近代、現代史上の著名人も数えればきりがありません。
ところが最近はこれら旧式長屋が別の意味で着目されています。現在上海では大規模な都市再開発が進行していますが、こうした長屋の多くは中心地の非常に便利な場所にあるので居住権を購入することによりここに移り住み、もし再開発となれば近郊のより大きなマンションか元の場所に建てられる新築物件を極めて安い価格で購入する権利が与えられるのです。
新手の不動産投資手法の一つでしょうが何とも世知辛い世の中になったものです。何れにせよ今は古くても人気地域にある旧式長屋に移り住み高級マンションを手に入れるこの方法、上海に戸籍がありちょっとした資金的余裕がある人にお勧めの方法です。
(立正大学大学院 経済学専攻 兪揚)