古い街です。上海駅裏手と並んで最も再開発が遅れている地域でもあります。しかし単に「古い」だけなら旧フランス疎開の静安区や欧米領事館の集まる地区なども70年以上も前に建てられた住宅がたくさんあります。静安区にある旧オランダ人邸宅を改造した静安賓館などは築80年を迎えるというのに内装の改築だけで4年前に3つ星から4つ星に昇格したという前代未聞の快挙もあります。それに比べて南市区の建物の多くは一般に狭く周りくねった道路際に木造にセメント壁で一階店舗のアパートが建ち並び決して良い住居環境とは言えません。浦西の内環線の内側は古い街が残っているのです。
この街の中心は何と言っても豫園(ユエン)市場です。ここは先週ご紹介した外灘と並んで上海観光で必ず訪れる2大スポットの一つでもあります。上海名物の小龍包(シャオロンパオ)が食べられ土産売場が軒を連ねており、さながら上海の浅草仲見世といった感です。
ところがこの豫園にも変化が見え始めました。きっかけは小さな個人商店の集合体であったこの地区の最大手「豫園商城」が7年前に株式を上場し周辺の商店をテナントとして取り込み不動産管理会社化、更に株で調達した資金で店舗の改装を進め、現在では近代的なショッピングセンターの形を成してきました。外国人が外貨を落としてくれる観光スポットなのですから多少お金を掛けても高級化し、販売単価を上げたほうが儲かるのは火を見るより明らかです。
でもその結果として下町の風情が失われ、何処へ行っても同じ面構えで大量消費を機能的に捌くだけの観光地となってしまえばやがて飽きられるでしょう。厳しい言い方をすれば現在の日本の地方にある観光地の姿は明日の中国の姿でもあるのです。日本ではどんな山奥の温泉旅館に泊まっても必ずマグロの刺身が出るように、中国でも外国人が訪れる観光地では何処でも広東料理で茶を濁し地域の特産品など望めなくなりました。しかも北京の紫禁城内でも上海豫園でも売っている土産はどちらも同じ。2,3年に一度各大都市は観光年と銘打っていますが、本気で観光立国を目指すならここらで軌道修正が必要です。私が知っている限りではお手本は韓国にある気がするのですが。
さてここでも物件は非常に少ないですが2件だけ探しました。
南城華園 1平方米4800元より 高層120平方米 約64万元
豫苑公愚 1平方米3990元より 多層85平方米 約39万元
(上海新科技房地産 経理 鄭 泓)