駆け足で広東省を廻る機会があった。去年の春以来だ、広州空港を出ると空気が暖かく緑が多いことに心和む。小春日和などではなくクリスマスも正月も常に「春」なのだ。真夏になれば北京も上海も40度近い酷暑なのは同じこと。料理は安く新鮮で種類も豊富、恐らく中国で最もすごしやすい街だろう。
市内へ続く高速道路の出口でETCの表示を発見、工事中で未だ使われていなかったが上海には無いハイテクだ。広東省は永らく香港フラワーに代表される雑貨や小家電の生産基地だったがここ数年外資の自動車メーカーが競って進出、部品産業も集結し中国のデトロイトと言われるに至る。先週の報道では広州白雲空港の旅客数が上海浦東を抜いて中国トップに躍り出たそうだ。
上海と異なるのは工業団地には日系企業が進出し日本人向けの料理屋やスナックが多数あるのに広州市内で日本人を見かけることはなくいわゆる日本料理店も発見できなかった。深夜でも生け簀から活魚をつまみだし10分も待てば格安で出してくれる地元の店には絶対敵わないのだろう。雑踏や早茶(飲茶風の朝ご飯)に行くと広東語のリズムが何とも心地よい。実際は深刻な話をしているのかも知れないがまるで音楽を聴いているようだ。
日本の首都高より狭く殆ど直角の急カーブもある広州市内の高架道路を走っていると香港と大陸の2つのナンバープレートを付けた右ハンドル車を目にする。このまま九龍を目指しアバディーンやスタンレービーチまでドライブしたい気持ちに駆られたが残念ながらタイムアウト、上海に戻らなければならなかった。